降圧薬が効かない高血圧。原発性アルドステロン症が原因か

Q.55歳、女性。高血圧で薬物治療中ですが効果が出ず、薬を変えることになりました。そのとき、主治医から「原発性アルドステロン症の可能性もあるので一度検査を」といわれました。どのような病気で、どんな検査が行われるのでしょうか?治療は手術になるそうですが、手術をすれば高血圧は治りますか?(茨城県 Y)

ホルモンの過剰分泌で、高血圧などを引きおこす病気。早期に診断を

A.原発性アルドステロン症とは、腎臓の上にある副腎という小さい臓器から、アルドステロンというホルモンが過剰に分泌されて高血圧などの疾患を引きおこす病気です。高血圧の患者さんのうち5~15%は、原発性アルドステロン症が原因であるとされています。

突然高血圧になって、症状が急速に進行する場合や、降圧薬を内服してもなかなか改善しない場合に、この疾患を疑います。低カリウム血症や睡眠時無呼吸、ほかの臓器障害の併発も多くみられるので、早期の診断・治療が重要になります。

検査としては、まず血液中のホルモン値を調べ、アルドステロン・レ二ン比が200を、血漿アルドステロン濃度が120Pg/mLを超えた場合は、さらにカプトプリル負荷試験やフロセミド立位負荷試験などを行います。

また、副腎の状態を確認するため腹部CT(5mmスライス)も行います。カプトプリル負荷試験などの結果が1つ以上陽性であれば、原発性アルドステロン症の診断を確定します。

治療方針は、病気が両方の副腎にあるのか、あるいは片側のみなのか、また、手術を希望するのかしないのかによって変わります。病変が片側の副腎のみであれば、副腎摘出手術も選択肢に入ります。

手術を希望する場合には、1~3mmスライスの造影CTを行い、入院して副腎静脈サンプリングという検査(副腎静脈にカテーテルを挿入して、その場所のホルモン濃度を調べる)を行います。この検査で手術の適応が確定したら、片側副腎摘出術を行います。

両側の副腎に病変がある場合や、手術を希望しない場合は、薬物治療を行います。薬物治療には、ミネラルコルチコイド受容体(MR)括抗薬を使用します。MR括抗薬には、スピロノラクトン、エプレレノン、工サキセレノンがありますが、このうち、新しく開発された工サキセレノンは、アルドステロン受容体をより選択的に阻害するため、副作用が少なく、1日1回の内服で持続的効果が期待できるという利点があります。

病態によって可能な治療や得られる予後が異なるため、担当医とよく相談して最適な治療を選ぶとよいでしょう。ご相談者もまずは検査されることをおすすめします。原発性アルドステロン症と診断されれば、治療を行うことで高血圧の改善も期待できます。

回答:自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授 苅尾七臣先生

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